歯科衛生士による浸潤麻酔の実施のための研修についての見解
この度、6月20日に厚生労働省医政局長名で「歯科衛生士による浸潤麻酔の実施に向けた研修プログラム(例)令和7年度版」が、都道府県知事、保健所設置市長、及び特別区長宛てに発出されました(医政発0620 第8号)。これは歯科医師の指示の下で歯科衛生士が歯科診療の補助行為として浸潤麻酔行為を安全に実施するために、歯科衛生士が習得するべき知識・技術の研修プログラムの例を示したものです。
この研修プログラム(例)には、日本歯科医学会や一般社団法人日本歯科専門医機構の関係者と連携することが望ましいこと、プログラム責任者には、一般社団法人日本歯科専門医機構認定の歯科麻酔専門医又は口腔外科専門医が担当することが示されています。よって、厚生労働省は歯科麻酔専門医及び口腔外科専門医以外の者が企画する研修会では、研修の質が担保されていないと判断されているようですので、当学会の役割は大きいと考えております。
当学会としては、歯科医師が行っている処置のための浸潤麻酔行為ではなく、診療補助業務として行う歯肉縁上及び歯肉縁下の歯石除去、ルートプレーニング時の疼痛除去を目的とした浸潤麻酔行為を安全に実施できるよう支援させていただくことは、当学会の役割であり、さらに歯科衛生士の皆様が、浸潤麻酔行為に関連して全身管理の知識・技術を習得されることは、超高齢社会であるわが国の歯科医療の向上に繋がると考えております。今後、日本歯科医学会、一般社団法人日本歯科専門医機構、公益社団法人日本歯科医師会、公益社団法人日本歯科衛生士会などの関連団体と連携して、歯科衛生士による浸潤麻酔の実施に向けた研修に前向きに取り組んで参ります。
2025年6月27日
一般社団法人 日本歯科麻酔学会
理事長 宮脇卓也
歯科衛生士による浸潤麻酔の実施に向けた研修プログラム(例)令和7年度版について(医政発0620第8号)