A12
通常の場合でも人間はのどの奥にものが入ると吐き気を催します(いわゆる嘔吐反射、正確には異常絞扼反射、といいます)。この反射の強い方は、その症状が非常に強く出てしまい口腔内をさわられるだけで反射がでてしまうこともあります。原因は生理的な反射や心理的な要因などさまざまですが、歯科治療を通常通り行うことは困難です。まず、かかりつけ歯科医師に嘔吐反射があることを伝え、嘔吐反射の程度や必要な治療方針などを相談してみて下さい。その結果、かかりつけ医での治療が難しい場合には、大学病院などで歯科麻酔科医による静脈内鎮静法や全身麻酔を併用した治療が必要になる場合もあります。
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日本で使われる局所麻酔の大部分には、血圧を上げる成分(血管収縮薬)が添加されています。血管収縮薬を加える目的は麻酔効果を強くし、作用時間を延ばすためです。歯科用局所麻酔薬に添加されている血管収縮薬の添加量は少ないため、健康な人にはほぼ無害と考えられていますが、心臓病や高血圧の既往のある方は、必ず治療前にお知らせください。
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軽い心臓病であれば、問題になることはあまりありません。ただし、詳しい病状や内服薬などの情報を歯科医師にお知らせください。歯科医院での治療内容やお体の状態などにより専門機関での治療をおすすめする場合もあります。
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歯科麻酔専門医は、日本歯科麻酔学会のホームページにて公開されています。
下記をご覧ください。
歯科麻酔専門医一覧
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血圧や脈拍を測りながら治療することを「モニタリング」と呼んでいます。高血圧や心臓病の患者さんでは、歯科治療時に血圧や脈拍が大きく変動することがあります。この変動を知り危険な状態に陥るのを防ぐのは治療を安全に行う上で極めて重要であることがわかっています。日本歯科麻酔学会では、合併症を持っている方の歯科治療時には各種のモニターを使用することを推奨しています。
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血液が固まりにくくする薬を服用されている場合でも、適切な止血処置をすることでほとんどの歯科治療が可能です。自己判断で勝手に薬の服用を止めてしまうと、血液が固まりやすくなり、かえって体や全身疾患にとって不都合となることがあります。また、服用されて薬の種類や量、歯科治療の内容、血液検査結果などによってもそれぞれ対応が異なりますので、歯科治療時の服薬に関しては必ず歯科医師や主治医にご相談下さい。