「抗精神病薬とアドレナリン含有歯科麻酔薬の併用について」
この9月に独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)から当学会宛に、抗精神病薬とアドレナリン含有歯科麻酔薬の併用について、抗精神病薬側の注意喚起を「併用禁忌」ではなく、「併用注意」とするのが適切であることを、抗精神病薬の承認取得者の企業に伝達した旨の連絡を受けました。
そして10月より、各種抗精神病薬の添付文書で、アドレナリン含有歯科麻酔剤との「併用注意」に改訂されているのでご注意ください。なお今回の改訂に関する解説は以下のとおりです。
これまで抗精神病薬の添付文書の併用禁忌項目としてアドレナリンを投与中の患者(アドレナリンをアナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く)という記載がありました。一方、歯科用アドレナリン含有リドカイン製剤の添付文書には、これまでも「併用注意」として抗精神病薬(ブチロフェノン系、フェノチアジン系等)と記載されていました。以上より歯科用アドレナリン含有リドカイン製剤は抗精神病薬添付書類が想定している禁忌薬品に該当していなかったことは明らかです。今回の改訂ではその点を明確にしたということです。
なお、この改訂については、11月の「医薬品安全対策情報ー医療用医薬品注意事項等情報改訂のご案内ー N0. 321 , 2023. 11」(https://dsu-system.jp/dsu/web/viewer.html?file=/dsu/321/321.pdf)に掲載されています。